コロナウイルスのせいで、ついに日本の学校でも臨休措置が取られるようになってしまいました。
安倍首相の判断は間違っていないでしょうが、なにぶん急すぎますね。
現場での混乱は大変なことだったでしょう。先生達は土日返上で、業務に邁進していたことが予想されます。
上が全てをダメにする
さてそんな中、Twitterを見ていると以下のような残念な報告がたくさんされていました。
休校中に頻繁に家庭訪問しろとか言う管理職。嫌すぎるんだが。保護者には鬱陶しくないの?生徒が家にいるか確認とかもはや監視だし、そもそも他人なのにそこまでするの気持ち悪い。何かあったら連絡してくださいでいいだろ。
— 底辺講師 (@teihenkoushi) February 29, 2020
来週からの熱血迷惑校長からの規格外な指示↓
・毎日全件家庭訪問
・休日児童召集。こっそり授業。
(給料はなし)
・年休取得禁止
ありえんだろ。てか、ほんと教師ってつくづく自分で仕事を増やすの好きだよなぁ。
それと管理職は地域保護者にいい顔みせることしか考えてない。— はまたた (@rr98dpq8KGUyAm9) February 29, 2020
こんなことを上から言われた先生方には本当に同情いたします。
全くもって何を考えているのか。休校の意味や、現在の状況を全く理解していないですね。
個人的には、この指示はただのいい格好しいのような気しかしません。
この二つのツイートは、氷山の一角だと思っています。
きっとこんな管理職は、日本のあちこちにいるのでしょう。残念なことです。
現在の教育界のカリスマ
さて、日本にはそんな残念な方ばかりではありません。
中には、教育会だけには止まらないような活躍をされている校長も多くいます。
それが前回もご紹介した、二人の校長です。

お二人とも、素晴らしいビジョンを持って、従来の公立校ではなし得ないことを多く行いました。
さて、今回はそのうちの一人、麹町中学校の校長工藤勇一氏の著書『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』について、その感想について述べていきたいと思います。
そのため、ややこしい表現は少なく、専門用語もきっちりと説明されていて非常に読みやすいです。
社会に適応する力
この学校は定期テスト、宿題をなくしたことが大きく取り上げられています。
ついついそこだけに目がいってしまい、このことの目的がなんなのかということにはそこまで注目はされません。
「ペーパーテスト→受験」という流れは、あくまでも学校社会の中での学力を測る物差しであって、将来社会に出たときに、必ずしも成功を約束してくれるものではありません。
しかし、多くの保護者と教員はこの価値観に子供を縛りつけ適応させようとしていると、工藤氏は危惧しています。
現在求められているのは、このようなペーパーテストで測る力ではなく、「非認知スキル」と呼ばれる力であるとしています。
具体的には、「課題発見力・解決力、試行錯誤を続ける力、感情コントロール力」などです。
なかでも、一番腑に落ちたのは、「ゼロから価値を生み出す力」です。
やはり、今求められているこの力ですね。
ビックデータ時代において、あらゆる情報は手に入ります。
そして、世の中の均一化はますます進んでいくことでしょう。
そこで価値を見出されるのは、新しいものを生み出す力です。
工藤氏のこの教育理念は、これからの社会において必ず強みになってくると思います。
「協調性・みんな仲良く」を疑う
みなさんも学校生活において、一度は必ず言われたことがあるのではないでしょうか。
「みんな仲良くしなさい」「みんな友達じゃないか」
ありがた迷惑に感じた人も多いのではないでしょうか。ほっといてくれと。
これらは協調性と呼ばれますが、言い方を変えれば空気を読むということになります。
日本特有のあの何とも言えない同調圧力なんかがそうですよね。
果たしてそれが子供の成長にとって本当にプラスになるのでしょうか。
麹町中学校でもこの違和感に真っ向から取り組んでいます。
工藤校長自ら全校集会で「協調生はあくまでも目標を達成するための手段であって「目的」ではない」と語っています。
子供達は、今まで当たり前のように「みんな仲良くしなさい」と刷り込まれているので、工藤校長のこの言葉にも最初はピンとこなかったそうです。
実際に、このような協調生の強要は子供たちに多大なストレスをかけてしまいます。
本当に必要な力は何か。それは多様性を認める能力です。
他の人と違うのは当然、じゃあそれをどう受けいれて、どう接していくかです。
現在の多様化する社会の中では、このような対人関係のあり方を、しっかりと学校教育の中で教えていってあげるのも大切なことだと思います。
ここの卒業生の将来が楽しみ
自主的に取り組み、相手を受け入れながら、合意形成を図ることができる子。
こんな子供たちが将来社会に出たら、一体どんな力を発揮するのでしょうか。
既存の枠組みには囚われない柔軟な発想は、きっとこれからの社会において力を発揮していくと思います。
子供の未来のために、ここまでの教育改革を行った、工藤校長には本当に頭が下がります。
教育に携わる先生方には、必携の書ですよ。
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