公立の限界に挑む〜未来の公立の形〜

最近コロナのことばっかりなので、たまには真面目な話をしようと思います。
この時間があるのを利用して、久しぶりにKindleで本を購入。
Kindleを使って読むのは、もっぱらDIYに関する雑誌のなのですが、今回は教育に関する書籍を購入しました。それがこちらです。

知っている人は知っていると思いますが、現在日本の教育界を引っ張っていっている、二人の中学校の校長先生です。




千代田区立麹町中学校

今、日本で一番有名な校長といえば、この工藤勇一校長でしょうね。
教育界のみならず、ビジネス界からも熱い視線が贈られている方です。
ここ麹町中学校では、既存の枠組みに囚われない、大胆な改革を数多く行ってきています。

  • 定期テストの廃止
  • 宿題の廃止
  • 学級担任制度の廃止

などなど、普通の学校教員の感覚ではなかなかできないものばかりです。
というよりも、思いついたところで様々な障害に邪魔されておよそ実現などできません。
それを実現させてしまうのだから、かなりの手腕を持っていると思います。

 

すると案の定、この方は様々な教育委員会を渡り歩いているというのが分かりました。
そこで教育委員会と現場とのやりとりや、法律的な面での実現が可能かなど、様々なことを学んだんだと思います。
本書を読んでも、かなりの戦略家としての一面が垣間見えますね。

世田谷区立桜ヶ丘中学校

そしてもう一人が、この学校を率いる西郷孝彦校長である。
この人のは改革というよりも、「学校の常識をぶっ壊してやる」ぐらいな感じのやり方です。

  • 制服なし
  • 校則なし
  • 持ち物の規制なし
  • チャイムなし
  • 授業参加の強制なし
  • 授業中のタブレット使用
  • つまらなかったらゲームしてよし

う〜ん、ぶっ飛んでるな。子供が考えたかのような夢の学校像ですね。
これを思いついたとしても、実行するとなると相当な肝っ玉、いやむしろネジが外れていないとできません。

この西郷校長は、この現場叩き上げの校長で、この学校で再任用期間も含めて10年間校長として勤務しているようです。
10年あれば色々とできるでしょうが、ここまで行うのは相当です。
ですが、この人はどちらかというと感覚派のような感じがしますね。
しかし、その感覚が極めてズバ抜けていますが。

二つの学校の根底にあるもの

本書は、この異端な二人のとても興味深い対談です。
同じ東京の公立中学校でありながら、形は違えど、従来の学校とは違う学校像を目指している二人。
しかし、その根底には同じような考えがありました。

最終的にはやはり子ども中心の学校づくりということですね。
面白いのが、二人とも昔ながらの学校教育のあり方や、体制に何かしらの不満を持っていたということです。
特に校則の存在は、二人にとって考える意義のあることだったんだということがわかりました。

 

置き勉はなぜダメなのか。
修学旅行には、なぜトランプやゲームを持ってきてはダメなのか。

 

たしかに、屁理屈や一般論を唱えて、子供を説き伏せることはできるかもしれません。
しかし、子供が本当に納得させる答えって、難しいです。
実際にこれを禁止する法的な根拠があるのかと言われれば、自分は何も答えられません。

 

アプローチの仕方は共通している部分もあれば、なかなか独創的な考えもあります。
ただ、お互いがそれぞれの個性を生かして、学校づくりを行っているなという感じがしました。
この二つの学校に子供を通わせてみたいなと思いましたし、先生として働いてもとても面白そうな感じがしました。

公教育に一石を

これから、日本の教育に求められていくのは、こういう発想かもしれません。
もちろん、すぐにはこの学校のようなことは絶対無理です。
しかし、公立でもやればできるんだということが分かっただけでも勇気をもらえますね。

 

今回の読書でこの二人のこと、学校のことにとても興味を持ったので、二人に著書も買わせていただきました。
これらを読めば、さらに二人のことがわかりそうですね。
そして、これからの教育のこともね!

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