素材を生かした山梨グルメ

マラソン大会に参加する醍醐味の一つに、ご当地の美食を食べつくすというものがあります。
私自身も遠くのマラソン大会に参加した際には、まずその地方は何が美味しいのかを入念にリサーチします。
ラーメンが大好きなので、ご当地ラーメンを食べることも多いのですが、今回はせっかくなので、山梨ならではのものを食べに行ってきました。




吉田うどん

一つ目に紹介するのが吉田うどんです。普通のうどんとは一味違ったうどんだそうです。

「吉田のうどん」はびっくりするような歯ごたえとコシ、太さのある小麦粉の麺を、味噌や醤油など出汁のきいた汁で食べる富士吉田市周辺の郷土料理である。富士山北麓の富士吉田市は標高700~900mほどの冷涼な気候、火山灰土の地質により昔から稲の栽培には不向きだった。代わりに小麦、大麦、蕎麦のほか雑穀などを栽培し、合わせて粉物の食文化が進んでいった。また、昭和初期、富士吉田では繊維業が盛んで、織物の機械を動かす女性が、昼食の準備で作業が止まらないように、また、絹糸を触る手が荒れないようにと、行商担当の男性たちが昼食にうどんをつくるようになったといわれる。男性たちは腹持ちの良いうどんをと力強く練るため、歯ごたえ、コシが特徴となったという。山梨県の郷土料理として「ほうとう」が有名であるが「吉田のうどん」もまた昔から親しまれているため、現在では富士吉田市周辺に限らず、山梨県の名物としても名高い。
農林水産省 うちの郷土料理より
寒さや、当時の男性労働者たちのパワーの源となった、由緒あるうどんのようです。
さて、河口湖周辺にも、たくさんの吉田うどんと銘打ったお店がたくさんありました。
ですが、せっかく食べるなら間違いのないところで食べたいなと思い、いろいろと調べた結果、「みうらうどん」さんが美味しいと評判のようなので、早速行ってみることにしました。
行ったのはちょうどお昼前ということもあり、店内にはすでにたくさんの人がおり、 並ばないと店には入れない状況でした。
しかし、うどんなので、 お客さんの回転も速く、見た目の混雑とは裏腹に、約10分ほどで座ることができました。
ただし、店内の混み具合から鑑みて相席と言うことになりました。
メニューを見てみると、シンプルなうどんがメインのメニューばかりでした。
ここで初めて見たのですが、地元の人はつけ麺のようなものを食べていました。
うどんでつけ麺とは、なかなか味が想像しづらいですね。
そのメニューを注文してもよかったのですが、今回は肉わかめうどんの大盛りを注文しました。
量もさることながら、ぱっと見で分かるのがその麺の太さ。
通常のうどんの麺の約1.5倍はあります。 そしてうどんのコシも半端ないです。
コシがあると言うよりも固いと言ったほうがいいかもしれません。
スープにも肉汁がしっかりと染み込んでいて、味が濃いめでした。
固めの麺との相性も抜群で、ひと噛みひと噛みするたびに重厚感のある味わいでした。
値段も安いし、食べ応えもあるし、まさに昔ながらの伝統的なファーストフードといったところです。

山梨といえば「ほうとう」

そして夕ご飯には、もう一つの山梨の伝統的な料理を食べました。
それは、「ほうとう」です。
「ほうとう」とは小麦粉を練り、平らに切った「ほうとうめん」を、たっぷりの具材とともに味噌仕立ての汁で煮こんだもので、「うまいもんだよかぼちゃのほうとう」といわれるほど、誰もが知る山梨県の代表的な郷土料理である。峡南地域では「のしいれ」「のしこみ」とも呼ばれている。稲作が適さない山間で、米に代わる主食として古くから親しまれてきた。そのため、「ほうとうめん」を打つことは、嫁入り修行ともされていた。めんの製造時に塩を混ぜないので、あらかじめゆでて塩分を抜く必要がない。つくる手間がかからず野菜や肉とも相性が良く、栄養価も高い。「ほうとう」は「餺飥」の呼び名で、平安時代から貴族が儀式等で食べていたことが知られている。
農林水産省 うちの郷土料理より
漫画、「美味しんぼ」で見たことがある料理です。
確かペンションで都会さながらのおしゃれな料理を出していた夫婦が、なぜ人気が出ないのか悩んでいたところ、おばあちゃんが作ったほうとうを出した瞬間に大繁盛したというのが記憶にあります。
僕の中では、山梨の伝統料理といえば、まさにこのほうとうが第一に思い浮かびます。
河口湖周辺にも数多くのほうとうを提供するお店があったんですが、ぱっと見た名前の印象でこの店に入りました。

ほうとう不動河口湖北本店です。
この荘厳な佇まい、とんでもなくおいしい料理を提供してくれそうじゃないですか。

中は古民家を改装した、昔ながらの日本家屋といった感じです。
かなり広い店内でしたが、客足はこの日は少しまばらだった気がします。
せっかく来たので、ほうとう以外のサイドメニューも注文しました。
メニューに馬刺しがあったので早速注文。
ひと口食べただけでわかる位新鮮な馬刺しでした。
噛むとシャキシャキして、馬肉特有の独特な肉汁が溢れてきて本当においしかったです。
そしてメインディッシュのほうとうがやってきました。想像していたよりも大きな鍋でやってきました。
その中にうどんと山梨県の野菜がびっしりと入っていました。
麺の太さは吉田うどんなみでした。
しかし、麺の硬さはそれほどでもなく、ちょうどいい柔らかさの食べ具合でした。
このスープがまた美味しくて、野菜とうどんに合う優しく味わい深い味でした。
すごいボリュームでしたが、スープも含めて完食してしまいました。山梨の伝統料理恥じない素晴らしい味でした。

そこでしか食べられないものこそ旅行の醍醐味

今回の郷土料理は久々に大当たりでした。
郷土料理を食べると、なぜその郷土料理がその地域で発展したのか、その地域の人々はどんな暮らしをしているのかが、料理を通して垣間見ることができます。
もちろん、中には、その地方以外の人には口に合わない料理があることも事実です。
ですが、そういったものを味わうことも含めて旅行の醍醐味と言うのではないでしょうか。
これからもこういった料理どんどん食していきたいですね。

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