あの頃に戻れるなら…〜如果岁月可回头〜

 

日本に帰国してから、めっきり中国語に触れる機会が少なくなっています。
読む、書くはいいのですが、聞くと話すがさっぱりですね。
そんな私の中国語の能力の維持に役立っているのがドラマ鑑賞です。

今回は久しぶりに中華ドラマを見終わったので、そのレビューを書きます。
今回見たのは豪華キャスト陣の共演が見どころの、『如果岁月可回头』です。

 




あらすじ

ある日突然、妻から離婚を突きつけられる白志勇。突如妻に若い男性との浮気が発覚し、夫婦関係が崩壊した蓝天愚。自分の娘だと思っていたが、妻の以前の交際相手の子だと告げられた黄九恒。それぞれが風関係で突然の苦境に立たされ、傷心を癒すためのオーストラリア旅行に向かう。その旅行で三人が出会い、意気投合する。さらにツアーガイド兼バーのオーナーである江小美にも出会い、帰国後四人は彼女の経営するバーで交流を深めていく。
交流が深まるにつれて、三人は、江小美の心に隠された過去と悲しい現状について知ることとなる。また、それを機にお互いの人生において何が重要であるのか、何を求めていくべきなのかを、助け合いながら悟っていく。果たして、彼らの人生において、この先どのような結末が待っているのだろうか。

 

とにかく豪華絢爛なキャスト陣

このドラマの一つの魅力がキャストです。
中国ドラマでよく見る有名な俳優・女優陣が総出演の豪華な配役になっています。
さっそく役柄を紹介していきます。

 

白志勇

本作の主役の一人です。妻からいわれのない理由で突如離婚を突きつけられ、そこから自暴自棄に。
泥酔したまま仕事に臨んでしまい、その結果職も失うことに。
黄九恒、蓝天愚と出会い、三人で狂ったように夜な夜な遊びまわりそれがトラブルを招くことも。
江小美に惹かれつつも、妻との関係を完全には切れずにいる。

 

演じるのは我らが靳东です。
この人のドラマを見るのもこれがもう3本目です。
今回の役は彼の人間味が出ていて、非常に心動かされました。

景雅

白志勇の妻で英語の通訳をしているバリバリのキャリアウーマン。
明確な理由も告げずに、突如離婚を切り出すが、その後白志勇に「子供だけ欲しい」とせがんだり、その行動には不可解な点が多い。
実はこの離婚にはある秘密が隠されている…。

 

演じている左小青は初めてみましたが、強烈な大人の色気を放っています。
中国の女優さんって本当に綺麗な人が多い。

 

蓝天愚

本作の主役の一人。大学で講師をしていて、学生たちからもその授業は好評である。
しかし、ある日妻が若い男性と不倫関係にあることを知り、大きなショックを受けるとともに、夫婦関係を精算したいと考える。
しかし、離れて暮らす一人息子がいるため、なかなか離婚の事実を伝え切れずにいる。

 

演じる李乃文は役柄のせいもあってか知的な印象が漂う俳優さんです。
以前見た「精英律师」では少し嫌な役だったので、今回のでファンになりました。

 

上官慧

航空会社の客室乗務員を務める蓝天愚の妻。
一人の体育教師と不倫関係に陥っており、その彼と半ば駆け落ち寸前になっていたところで、旦那の蓝天愚に全てを知られる。
その後は不倫したことを後悔し始め、不倫関係を精算し、夫との関係を戻そうとするが、一度切れた糸はなかなか修復できずにいる。

 

演じる赵子琪は少し庶民っぽい雰囲気もある美人さんです。
なんとなく浮気に溺れそうな感じも否めない(失礼)ので、やはりこのドラマの監督の配役は絶妙である。

 

黄九恒

主役の一人で、国内でも指折りの料理人の一人である。
突如妻に自分の娘が実の娘ではないと知らされ、大きな喪失感にかられる。
その後、それでも家族を大切にして行こうと気持ちを持ち直すも、彼自身の人生を揺るがす大きな事件が起きる…。

演じる李宗翰は他の男性人に比べると、少しクールで達観している印象を受ける。
しかし、今作の内容でもっとも心動かされたのは、文句なしに彼の演技である。

 

林响

黄九恒の妻で、白志勇の元同僚である。
大学時代に付き合っていた男性と、酒に任せて一夜限りの関係を持ってしまい、その時にできた娘がいる。
その真実を夫に告げたところ、夫婦関係が悪化の一途を辿ることとなる。
そして、彼女自身にも大きな運命の潮流に巻き込まれてしまうことに。

 

演じる傅晶は奥様方の中では最も若いじです。
妻として、母親として健気に頑張ろうとする姿には、とても好感が持てました。

 

江小美

 

本作のメインヒロインで、三人がオーストラリアで出会ったツアーガイド。帰国後は彼女の経営するバーが彼らの交流の拠点となる。
彼女自身も夫と離婚しているが、いまだに前夫に金をせびられており、関係を完全に精算できずにいる。
そして、彼女自身の過去にもある秘密がある。

 

演じる蒋欣は他のドラマでも数多くの主演を張るほどの大女優です。
最近だと『欢乐颂』が有名でしょうか。
美しい人なんですが、周りの奥様方が美人すぎるせいか、少し食われてしまっている感が否めませんでした。

区晓鸥

江小美が経営するバーの店員で、彼女の親友でもある。
とても活発で天真爛漫な性格で、傷心の三人にも年齢に関係なく接していき、時には彼らの行動を煽ったりする。しかし、彼女自身も周りには隠している大きな事実がある。

 

演じる陈冰は中国のポップミュージックの歌手らしいんですが、演技もなかなか上手です。
今作の女性陣の中では、自分の中で最も好きです(笑)

 

感想

見た当初こそ、中年男性三人の悲哀の物語かと思いきや、至る所に伏線が散りばめられた人間ドラマになっています。
今回は三人とも家庭の危機や不破に陥るわけですが、旦那さん側には特に問題はないというのも一つのポイント。(白志勇だけは若干問題ありですが)
ドラマ前半はそんな男性陣が意気投合して、中年男性には似つかわしくない悪ふざけや遊びなどをしていって、心の空虚を埋めていきます。
しかし、それが更なる心の虚しさを増やし、三人の中でもお互いの行動に疑問を持つようになり、人生について考え出し始めます。

そんな三人が、奥様の不貞や過去の過ちについて、それぞれがどう受け入れ、どのように乗り越えていくのかが、このドラマの面白いポイントです。

 

三人の男性の話はそれぞれが面白いのですが、特に見応えがあるのが黄九恒です。
黄九恒は三人の中では、もっとも家族関係が落ち着いていますが、話が進むにつれ、最も辛い出来事が待ち受けています。
その話は涙なしでは見られないので、是非本編で確認してみてください。

 

自分自身をもう一度見つめ直してみませんか

久しぶりに見応えのある中華ドラマでした。
なんとくなく三人の生き様や人生を自分自身と重ね合わせながら見たので、かなりドラマの世界観に入り込めた気がします。
人生いつ何があるかわからない。でも、それを受け入れ、乗り越えていかないと人生は前に進まない。
そんな当たり前だけど、大切なことを実感できた良作でした。

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