TOOLに愛を込めて①〜UNDERTOW〜

今まで様々な音楽遍歴を辿ってきました。
B’zから始まり、Mr.BIgで洋楽の道へ一直線になりました。
そこからは、アメリカ、イギリスとありとあらゆるジャンルの音楽を片っ端から聴き始めました。
もちろんそれは今も続いていて、音楽は私にとって、もはや生活の一部になっています。




ハードロックを突き詰めた時期

音楽を聴く上で、今までいくつかの大きな転換期があったわけですが、一番大きかったのが、ハードロックへ傾聴していた時期ですね。
自分はドラムのプレイヤーでもあったので、ハードロック特有の早く思いドラミングに非常に憧れました。
また、攻撃的な曲や刺激的な高速ギターソロにも心に突き刺さりました。
HelloweenやAvenged Sevenfoldなどのメタル、limpbizkitやlinkinpakなどのハードロック、果てはSlipknotといったスラッシュ系まで行き着きました。

ハードさで心が満たされなくなった

しかし、これらの音楽を聴き続けると、「もっと速く、もっとハードに!」と思うようになり、徐々に心も満たされなくなりました。
もちろん、うえで挙げたバンド達は素晴らしいですが、当時の自分にとっては少し物足りなさを感じました。(今は一周回ってかなり大好きですが)

そんな、心の隙間を埋める音楽を探して時に出会ったのが彼らでした。

出典:alternativenation.net

TOOLというバンドです。
日本ではあまり知られていない彼らですが、本国アメリカでは神格化されているほどのバンドです。

TOOLの魅力

ハードロックというジャンルではカテゴライズできない

ダークで重いサウンドが彼らの特徴です。速弾きや、高速ツーバスドコドコなどはありません。
初めはKORNのようなサウンドかと思っていましたが、彼らの重さとはまた違います。
KORNはバンドのバックボーンも相まって、精神的に重さを感じさせるサウンドです。
しかし、TOOLはダークはダークなんですが、ものすごく芯の強さを感じます。
聞いていると、心の中から何かを呼び起こされそうなエネルギーがあります。
そのため、ダークなサウンドでこれを感じさせるのは容易ではありません。

究極までそぎ落とされたサウンド

ボーカル、ギター、ベース、ドラムという4人体制。
ロックバンドとしては極めてシンプルな構成です。
それゆえ、サウンドには無駄が一切なく、そのうえヘビーです。
個人的に、このバンドサウンドの核となっているのは、ギターとベースだと思っています。

 

弾かないことで空間を広げるギター

ギターはハードロックでは速弾きをしたりして、結構花形だったりするんですが、このバンドに関してそういう面は一切ないです。
淡々とリズムを刻み、時には全く弾かないこともしばしば。
ソロに関しては本当にシンプルなフレーズのみ。
しかし、これがバンド独特の空気感を作り出します。

暴れ回るベース

逆にベースは縦横無尽です。
楽器に詳しくない人なら、こっちがギターかと勘違いしてしまうような、メロディアスなフレーズを多用します。
このバンドではベースとギターが普通のバンドとは逆の役割を担っているように感じますね。
それが唯一無二のサウンドを作り出しているのかもしれません。

 

アルバム出して〜!

このバンドのもう一つの特徴として、アルバムを出す周期が長いということ。
30年近いキャリの中で、4枚しかアルバムをリリースしていません。
3〜5年周期で出していて、2006年を最後に一切の新作を出していません。
サイドプロジェクトに精を出したり、ライブなどはしていたんですが、ファンとしてはやきもきする期間でした。
しかし、この度約13年ぶりに、新作を出すことになりました。
その喜びをなんとか伝えたくて、この記事を書いたわけであります。

 

前置きが非常に長くなりましたが、今回はそんなTOOLの最初のアルバムUNDERTOWについて紹介します。

出典:amazon.com

 

UNDERTOWですでに突き抜けている

これがTOOLの1stアルバムです。
複雑な音世界を醸し出す大きな要因として、変拍子の多用があります。
本作でもそれが行われており、聞いていると自分が立っている場所を見失うような感覚になります。

 

個人的にオススメはSoberです。
この曲が自分のTOOLとの出会いだったので、思い入れがあるのもありますが、曲としても群を抜いています。
ベースの大暴れ、ギターのシンプルさ、ドラムの重厚さ、どれをとってもTOOLの今後の方向性を決めたようなヘヴィーでダークな曲となっています。
そして、ダークなサウンドに乗せて歌うエモーショナルなボーカルは最高ですね。

 

だいたいデビュー作というのは、勢いで製作されたものが多いのですが、本作はすでに彼らのサウンドが確立されている印象です。
もちろん、後世の作品の方が、完成度としては高いですが、1stにしてこのクオリティーと世界観は圧巻というほかないです。
個人的に全アルバムの中でクセはないと思います。
最初に聞くと、もしかしたら「こんなもんか」という印象も受けるかもしれませんね。

 

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