失敗図鑑〜すごい人ほどダメだった!〜

 

失敗ってしたことありますよね。
失敗すると、気持ちもめげるし、不利益も多いし、できることならしたくないという人がほとんどだと思います。
私自身も、最近仕事ではいかに失敗しないようにするかを念頭に置いてしまっている気がします。
でも、ちょっと待って。そもそも失敗なんて当たり前にすることだし、それを通り越して成長するんじゃないの!?

 

しかし、最近の日本の社会は失敗を許さない風潮があります。
子ども達を見ていても、失敗を笑って流せるような子が少なくなってきています。
親の影響か、社会の影響か、非常に残念なことです。

 

そんな堅苦しく、生き辛い世の中だからこそ今回紹介する「失敗図鑑〜すごい人ほどダメだった〜」は、忘れていた失敗することの大切さに気づかせてくれます。




偉人だって失敗の連続

本書は児童書のため、ルビを振っていて、子どもが読んでも読みやすくなっています。
多くの偉人達が載っていて、その種類も科学者、芸術家、スポーツ選手まで様々です。

 

どの偉人にも共通しているのは、どれもそれぞれの分野で一級品の活躍をした人たちだということです。
「こんな人たちが本当に失敗なんてしているのか?」と子どもなら感じるかもしれません。しかし、彼らが数々の歴史的な業績を残したのも、失敗あってのものだと思えば、なんだか心が軽くなりませんか。

 

本書の中で自分が気に入った偉人の失敗について紹介します。

 

①ダリ

サルバドール・ダリと言えば、時計が溶けている絵で有名な作家です。象に乗って凱旋門を訪れたり、また「リーゼントヘア」と称してフランスパンを頭に括りつけて取材陣の前に登場するなど、なかなかロックンロールな人です。
本書で紹介されているのは、講演会中の出来事で、潜水服を着て登壇したはいいが、酸素供給が上手くいかずに死にかけたことがあるということです。
おふざけも死ぬところまで行くと、笑えなくなりますね。

 

 

②与謝野晶子

与謝野晶子といえば日本を代表するか人の一人であり、2019年現在の、5000円札にもなっている人物です。
歌集『みだれ髪』が代表的な作品ですね。
そして、本書で紹介されている失敗は、かの有名な日露戦争の時に歌った『君死にたまふことなかれ』についてです。

 

世間の流れを読まずに、反戦の色を全開に出したあの詩を出したことで、世間から相当なバッシングを受けたようです。
しかし、そんなバッシングなどつゆ知らず、自分の考えを貫き通すその姿は、やはり芸術家として気高さを感じてしまいますね。

 

 

何を持って失敗とするか

本書を読んで感じたのは、「失敗をどう捉えるか」ということに尽きると思います。
失敗をして、どう感じるかは人それぞれですが、総じて成功している人は、失敗を一つの過程として捉えていることです。
本書では、失敗によって本当に失敗してしまった人物(ライト兄弟など)も紹介されていますが、その人は失敗に固執してしまい二進も三進もいかなくなってしまったということです。

 

子ども達には、失敗することの大切さと、それを笑って流せるような広い心を持って欲しいですね。
もちろん、失敗から学ぶこともたくさんあるので、そこは子どもたちに伝えたいですね。

大人が読んでも楽しめる本書。ちょっと悩んでいる時に、軽い気持ちで読んでみてはいかがですか?

 

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